石の中にいる

金も時間も無いので図書館で借りた本を通勤中に読んだ感想です

歌うクジラ 上 【村上龍】

おすすめ度 10

 

村上龍の本は69しか読んだことがなくて、しかも映画の方が好きという自分だが、

子どもが小さくて家がテンヤワンヤしている為、図書館にいられる時間は僅か5分ぐらいしか無く、その間に目について借りた本がコレ。

人間は知らないものと知ってるものがあった場合、必ず知ってる方を選択するというが本当だなと思った。

 

で、読んでみると超グロいからビックリした。

平易な文章で人間の醜い部分がひたすら書かれた小説。。。

フォールアウト(ゲームです)のような低予算SF的ダメ未来日本列島を主人公が頑張って旅する。

行先々で欲望丸出しの変態どもがグロいことをいっぱいしたりされたりするから目も当てられない。

ずーっと主人公の一人称で、大きな場面転換もなく国語の教科書のように読みやすいので、グロいシーンが脳内再生されまくる。

しかし、読み終わったあとは久しく使用していなかった右脳が活発になる感じでとても気分が良かった。

さすがビッグネーム。

なんかわからんけどちゃいますな。

 

だがしかし、余り人に薦めたくない。

子どもにも読ませたくないし、心にそっと閉まっておいて鍵をかけておきたい。

そんな一冊。

 

久遠 上【グレッグ・ベア】

おすすめ度95

 

裏表紙のあらすじを見て、

「ちょっと待て」

「これを借りずに帰れるか」

となり、借りてみた一冊。

案の定。。。。。これはヤバすぎる。。。。。

 

未来人、パラレルワールド、電脳、異星人、宇宙の誕生と死、そしてそれを司る・・・神!

扱ってるテーマが広すぎる&濃度が半端なくて軽いパニックになるレベル。

 

「永劫」という作品の続編らしいのだが、それを知らずに読んだため、

半分ぐらい読むまで主要登場人物が人間なのか電脳状態なのかすらよくわからなかった。

唯でさえ難解な設定なのに <冠毛(未来人の作った宇宙船らしい)>、<地球>、<ガイア> という3つの舞台が同時並行で進むので余計に混乱する。

が、一旦わかってしまうとこんなに楽しい小説はない!

 

<道(異世界とをつなぐゲート)>から侵略してくる異星人?〈ジャルト〉との情報交換シーンがハッキング対決と言った風合いでスリリング!

なーのーにー

異世界ガイアは古代世界+飛行機械の宮﨑駿的ファンタジー!

少女が<道>を探す旅に出る設定で、

とても同じお話とは思えない。 

 

90年代のSFだが、この時代のSFってこんなにぶっ飛んでるの?

感動した。

グレッグ・ベア

マジ天才だ。

 

 

惡忍【海道 龍一朗】

おすすめ度50

 

飛び加藤を主人公にしたニンジャ小説。

残念ながら半分ぐらいまでしか読んでいない。

いろんな忍者が出てくるのはいいが、

飛び加藤こと加藤段蔵の目的があいまいで感情移入度は高くなかった。

商人やってる甲賀忍者のほうが良いキャラだった。

後半は段蔵に成長が見られるのかもしれない。また借りて読もう

 

 

月下の恋人【浅田次郎】

おすすめ度90

浅田次郎の短篇集。

泣ける。どれも。

平凡な人生でも必ずあるドラマにグッと来た。

幽霊ものももりだくさんで飽きない。

また、ちょうどいい長さのお話が通勤電車にピッタリ。

女子高生が義理の父を「お父さん」と呼ぶまでの話と

「あなたに会いたい」というカーナビの話、心中の話、バイトの話

色々心に残った。

これはいい!

Halo 3【エリック・ナイランド】

オススメ度50

 
Haloの三巻目。
スパルタン全滅!マスターチーフぼっち!
てな感じなのが前回までのあらすじ。
男塾よろしくいけしゃあしゃあと生き残ってたスパルタンの仲間たちと無敵のヒーロー、マスターチーフが今回も大暴れする。
ツンデレAIのコルタナ目線の描写が多く、賢くなりすぎたがために人間相手にイライラするところや、AIの寿命、AI同士の電脳戦など掘り下げ方が半端ない。

代わりにコブナント目線のお話はないのでエイリアン贔屓の私は多少ガッカリしたものの、濃すぎる設定がてんこ盛りでSFを求めるお腹はいっぱいになった。

 
四巻も楽しみにしている
 

シェエラザード下巻【浅田次郎】

オススメ度60

下巻。

相変わらず面白いが、展開がなんか適当。

偶然を必然と言い切る宋さんの言っていることに説得力はないし、人を二人も殺しておいて特にお咎めなし。

また上巻で出てきたロシア人美少女の扱いもなんかいい加減。

途中で打ち切られた?的な感じさえ受けたが、読みやすく面白いのでまあ良しとしたい。

笠原航海士の晴れ舞台が痺れた。

シェエラザード上巻【浅田次郎】

おすすめ度90

 

読みやすい!

浅田次郎お得意のフィクションとノンフィクション混合の作品。

戦争で轟沈した豪華客船「弥勒丸」を引き上げようとする話。

現代の登場人物と戦中の船を取り巻く人々のエピソードが交互に展開され、謎解きにどっぷり引きこまれた。

 

よく知らなかったのだが阿波丸事件という事件があってそれを題材にしてるらしい。

いつもながらよく調査された重厚な歴史背景に感心する。

 

私が浅田次郎の作品の好きなところは綿密な歴史背景に加えて、当時を生きた人々の心境を共感させてくれるところ。

登場人物は理由もなく残虐なやつとか陰険なやつとかは出てこない。たとえそのように見えたとしても当時の状況だから仕方なかった、と必ず理由を(しかも美しく)描いてくれる。

この辺り一種のファンタジーだと思うが、

人の良心を描いている作品は読んでいて気持ちがいい。

 

関係ないけど浅田次郎の展開ははぐれ刑事に似てると思う。

下巻も楽しみ。