火天の城【山本兼一】
オススメ度:80
安土城を建てる大工親子の物語。
建築に関する描写が緻密で城を建てるのが想像を絶する大事業であることがよくわかる。
城が築かれていくのと同時に、 血気だけの若旦那が真の棟梁に成長していく様と、それを見守る父の心境を同時に味わえてたまらない。
築城を邪魔しようとする甲賀者の陰謀あり、大工同士のプライドのぶつかり合いあり、木材や石材の匠達の超人的な目利きありと、見所たくさん。
若旦那が成長して気づく、
「木を組むのが番匠の仕事、人を組むのが棟梁の仕事」。
その言葉が心に残った名作であった。
あと滋賀が舞台なのが良かった。
やっぱ地元小説が一番いいわ。
東京に住んでる人はだいたい地元小説を味わえて羨ましいと思う。
この人の小説はだいぶ波長が合ったので他のも読んでみたい。
鷹匠の話とか相当面白そう。
映画もきっと面白いと思うので見てみたい。